社長に寄り添う「オーナー税務」のプロ集団
2.オーナー税務とは
オーナー税務とは、当事務所の造語です。税務は、法人税、所得税、相続税と分かれておりそれぞれ独立した体系をもっております。税理士は、税理士試験においては任意の税法科目を受験しますので、
実は税理士と一言に言っても専門分野が分かれています。
法人の税務に強い税理士、個人の所得税に特化した税理士、相続専門の税理士という区分けが多いです。しかし、中小企業経営者は、ご自身が経営する会社の法人税、役員報酬や地代家賃をもらうことにより発生する個人の所得税、会社の業績が上がり、また個人の資産が増えることにより発生する将来の相続税と、全てが密接に関わり合っており、別々に考えたり対策したりすることは実はできないはずなのです。そこで、中小企業オーナー経営者に特化し、必要な税務を抽出し体系的にまとめたものが「オーナー税務」です。ここには、税ではありませんが、同じようにコストや負担となる社会保険などの公租公課も含めてまとめられています。
中小企業オーナー経営者に関係するあらゆる
税や社会保険の負担を最適化
する視点、それが「オーナー税務」です。最適化のポイントは2つです。
会社と個人、現在と将来
です。
3.最適化の2つのポイント
(1)会社と個人
会社には法人税が発生します。法人税を減らす一番手っ取り早い方法は役員報酬を増やし、利益を減らすことです。しかし、役員報酬を増やすと、役員である経営者個人の所得税と住民税が上がります。また社会保険料の会社負担と個人負担が両方とも上がります。年金を受給している経営者ですと、年金の受給停止となります。法人税は減ったが、個人に係る税や社会保険が増えたり、年金の受給が停止したりと返ってキャッシュが目減りしてしまう事態に陥ってしまいます。このようなことにならないため、
バランスがとれた調整が重要
となります。
(2)現在と将来
会社に負担を掛けないようにと、役員報酬を低めに抑えた結果、会社の純資産額が引き上がり株価が上がってしまい、
株の移転に贈与税や相続税がかかってしまう
事態になってしまった。会社に貸し付けたお金の返済を受けないでいたら「役員借入金」が大きな金額となり、経営者個人の貸付金という資産になってしまった、など、会社のために良かれと思ってしてきたことが、
余計な税負担という形で跳ね返ってきてしまった
というケースも多いのです。1年1年の現在の積み重ねが将来となります。現在と将来の最適なバランスを考えることが非常に重要です。
4.簡易診断
1つでもあてはまるものがあれば、オーナー税務は効果を発揮します。2つ以上あてはまる方は、すぐに取り組んだ方がいい方です。
オーナー課題に関するチェックリスト
| 項目 | 該当 |
|---|---|
| 役員報酬に対して、社会保険料の負担が大きいと感じる | |
| 預金残高の増減にムラがあり、経営者が会社にお金を貸し付けている | |
| 役員借入金と過去の赤字の繰越額がほぼ同額である | |
| 役員借入金を免除すれば、債務超過を解消することができる | |
| 節税目的で加入した生命保険契約や倒産防止掛金がある | |
| 公的年金の受給停止額が発生している | |
| 会社を譲りたい後継者がいるが、株主は現経営者一人である | |
| 経営者個人で生命保険、医療保険、個人年金、小規模企業共済に加入している |